この記事は whywaita Advent Calendar 2020 24日目の記事です。無事今年の木曜日シリーズも終えることができてホッとしています。去年のことは忘れましょう。
タイトルが偉そうですね。そんなことより KMNZ LIZ の声を聞いてください。声が良い。ズのクリスマスボイスを買い忘れて号泣してます。
現代では就活は戦に例えられることも少なくありませんが、そんな私の就活 2021の陣は、他人はおろか自分の想像すら遥かに振り切る不毛な延長っぷりを見せ、冬の陣だったはずが気がつけば夏の陣になり、不毛な「朝X時はどうにかなりませんか?」「無理です」という押し問答も飽きてきて、結果として自分探しの旅へ何度も離島へ行き、その甲斐あってか無事に終わりを迎えました。
関係各位の皆様には、改めて振り回してしまったことをお詫びします。
本編
就活に関する諸々は後述するとして、今回の就活で得た知見を自分なりにまとめたスライドを、今後就活に挑む方々の参考になればと思い供養します。クリスマスプレゼントです。
このスライドは、2020年10月にあるキャリア系企業の依頼で実施したセミナーで使ったものを大幅に改変したものです。こんな就活自分語りに押し寄せた学生の数、なんと50人です。びっくりですね。(募集ページの1つ)
イベント後に、同期にスライドを見せたら「偉そうなこと言ってるけど本筋は良いこと言ってる(意訳)」みたいな反応を頂いたので、そんなもんかと思っています。
基本的に就活はケースバイケースだと思っていて、自分が受ける業界・企業や時流・自分の個性・特性に応じて色々なやり方があると思うので、そこらへんにうまく折り合いを付けてやってください、という感じです。
以下は延々とおまけ(蛇足)です。
おまけ
就活のメモがてら、面接の応対やWebテストの感想、合否やオファー額を書いていた kyontan/JobHunting (2) (部外秘) はいつの間にか200KBを超えました。
「辛くなったら読む」のセクションには次の一節を引用していました。これを読んで何度救われたか…… わたしがわたしのヒロインです。
「強気に Move ハートに Kiss このまま未来も変えれそう 夢みる自分で恋したい だってわたしがわたしのヒロイン」
(Move on now! – わか・ふうり・すなお・りすこ from STAR☆ANIS, 作詞: 田中秀和)
エントリーした会社は全部で11社。うち8社から内(々)定を頂き、色々と悩みながら、候補を7社(4月頭)→4社(4月中旬)→2社(6月中旬)と絞り、最終的に8月3日に1社に決めました。
結局、朝起きられないのに就活するのは基本的に無理筋で、5月頃は各社の人事から「本当に朝起きられないの?」みたいな問いかけを立て続けにされてメンタルが死にました。最終的に何社も受け入れてくださる会社がいたというのは、本当に運が良かったとしか思えません。運も実力の内ってやつです。
ワークライフバランスとか働き方改革とか多様性とか、このあたりは色んな主義主張が混ざってしまいますが、少なくとも一般的な企業への新卒入社を望むのであれば、まだそのあたりの自由度は低いという現状を改めて認識しました。
ちなみに、内(々)定を頂き、出社時間について相談した7社のうち、最終的に(私が希望する)11時出社を何らかの形で許容すると公言して頂けた会社は5社で、そのうち特例対応無しで対応可能と返答頂いたのは2社程度でした。
特例対応にも程度の差はあります。元々の制度として11時出社は問題ないが、新人研修等のイベントは調整するというのが2社。制度上は無理なので契約から見直す、というのが1社でした。
契約から見直す、今振り返ってもすごいですね、人事の方には大変なご迷惑をお掛けしました……
会社選びの優先度としては、「朝遅い」がダントツだったこともあり、給与の額面はあまり見ていません。内定先の採用条件通知書まだ貰ってないんですが、僕の給料いくらですか?笑
他にオファーを頂いた会社の額はだいたい知っているのですが、多分その7社の平均より下ぐらいだと思います。そういうこと考えるとやっぱりお金欲しくなっちゃいますね。
最後の最後で色々辛い展開になったこともあり、思うところは色々ありますが、全てを終えてから自分の考えや行動を振り返ってみると、かなり妥当な、ピッタリの選択をしたと言えます。
とはいえ未来についてはなるようにしかならないということで。
おまけ (2)
気が乗ったので kyontan/JobHunting (無印) と kyontan/JobHunting (2) に書いていた、就活のスタンスと雑感の一部を公開します。文体は原文ママなので、本文と違う点をご了承ください。
スタンス (学部卒の時)
- 院に行くかもしれないし行かないかもしれないのでとりあえず色々見る
- スキル/経験はないわけではない気もするのでとりあえずスカウト系サービスに色々入れておけばなんとかなるでしょう
- 良い人事がいる会社はある程度いい会社であると思える
- 逆に言うとクソな人事と一度でも会ったら絶対に蹴る
- そこは結局マッチングなんですが
- 中の人ともちゃんと面談しましょう
- っていうか会社も一枚岩じゃないし文化的なところが大事
- 行きたいチームまで確定できると良いかもね
- 条件 (MUST)
- 朝遅い
- XXXXなので体質的に無理です
- 特例対応になるのであればお断りする。そういった対応はいずれ無理が出てくるのが見えている
- 具体的なラインでいうと朝10時に都内はおそらく厳しい
- 11時なら多分大丈夫でしょう……
- コミュニケーションを重視している
- 気持ち的なマッチング
- 結局のところ人ですよねということになると思う
- 数ヶ月経ったがこれは真で、結局会社単位で見て本当に全てを受け入れられるならその会社に問答無用で行くべきであるが、そんなことはほぼないのでチームを選ぶべきという結論に至った
- 一緒に働きたい人がいるチームに行くことが叶いやすい会社に行くというのは妥当な選択だと思っている
- 技術的にイケてる会社
- 新しい技術を使っているかというよりは、正しい技術を選定できているか
- 論理的な選択をするべき場面でできているかという点
- 朝遅い
- 条件 (SHOULD)
- そこそこのお賃金
- 高いに越したことはないが、年収
400万あればいいんじゃないですか - 500 ぐらいもらっても悪くないのではという気持ちになった。別になくてもいいけど
とりあえず交渉はする交渉をする気はないし別に高いところにいくとは限らない- そもそも高い給料をもらうとプレッシャーで多分潰れる
- 高いに越したことはないが、年収
- 技術/人/プロダクトへ投資ができる会社
- 投資ができる、というか筋が良い会社みたいな感じになると思う
- 投資はそれをすべき人間がすれば良くて別にエンジニアではなく、どちらかというと経営層がまともかどうかみたいな点を指している
- 役に立つサービスを作っている
- 自分の生活に関わっているとより嬉しいですね
- リモートができるととてもうれしい
- 下の話にも関連するけどまあコミュニケーションの課題をうまく解決できたうえでのリモートは理想的
- 2018年現在ではまだまだ課題が多いというのは認識している
- むしろそういった問題意識があることによって解決への試行錯誤というのができるので、無思考にリモート可能ですという企業は信頼しない
- 通勤したくない
- 文脈的には通勤ラッシュに巻き込まれたくない/朝起きられないだけなので別に時差通勤は問題なし
- 下の話にも関連するけどまあコミュニケーションの課題をうまく解決できたうえでのリモートは理想的
- コミュニティに関わっていける起業
- OSS を公開している / 貢献している
- 技術を広める・議論することに関心がある
- そこそこのお賃金
スタンス (院卒の時)
- 基本的には kyontan/JobHunting (学部) のスタンスに準じます
- 本当に朝起きられないことが分かってきたので「11時出社できる」というのはMUSTになった
- 11時に出社できるかどうかは置いておく
- これのおかげで選択肢が絞れて 便利
- 社会とバトルしたくない。もういやだ……
- 正直フロントでもバックエンドでもインフラでもなんでもいいんですが、お金がほしいし既存スキルの強みだとインフラになっちゃうね
- まあSREに強い関心があるのは間違いなし
- 幻想を抱いているだけかもしれない
- 自分本位、自分が大切、特に自分の体が一番大切
- 私は多様性を認めない人間がいることも多様性として認めるし尊重しますが、そういった人間と一緒に働きたいとは思いません
- 正直行ったら行ったでそれなりにやっていけそうだな〜みたいなところしか受けないし、落ちたら落ちたで仕方ないのスタンス
- それはそれとして豆腐メンタルなので落ちたらかなり凹みます
- 落ちたらネタになるぐらいのやっていき度
- 一応外向けに言ってるのは次の2つ (表現にはブレがあります)
- 技術選択を大事にしている
- チームとしての生産性を上げることにフォーカスしている
- よっぽど尖った何かがない限りベンチャーはいかへん
雑感 (院卒の時)
あることないこと書いてたセクション。今回の就活、とにかく疲弊した印象が強いですね。
- 最強の ガクチカ を持ってバトル
- Webテスト/コーディングテストが多すぎて疲弊した
- それだけ母数が増えて,質を見極めることが難しくなったんでしょうね
- とはいえ計算量を意識したコードを正しく記述できる能力や,そもそもの発想力,短い時間での瞬発力は大事だし,単に自分が苦手というだけの話
- これだけで測れない人間は多くいると思うのでどうしたものかな,と思いつつ,現状の最適解はこれなんでしょうね
- 我々は選ばれる側の人間なのでこれに適合するのが近道ということです.迎合しましょう
- 各社色々なテスト用サービスを使っているが,問題文が基本的に英語
- TOEIC null点の人間としては、人々が英語どのくらい読めるのかよくわからん
- このようなサービスの流行は,こういった実技(もどき)なしで採用した人材が,その後会社において期待されていた成果に見合っていないことを示唆している……?
- コーディングテストをRubyで解く人材,基本的に邪悪だと思う
- 私のことですが……
- コーディングテスト向きのRubyの書き方が身についてきて最悪な状況
- Enumerableモジュールのメソッドより for…in が速いとか,GCの気持ちになってコードを書く,みたいな話です
- 完走した感想 → 二度と受けたくない
- それだけ母数が増えて,質を見極めることが難しくなったんでしょうね
- 朝遅いのはMUSTで必要だということを実感してきた。とにかく疲弊したくない
- こういう事言うから社会不適合とか言われるんですよね
- 大学院なにもやってこなかったので割と無理になっている
- 言えることが進歩していない
- 雑にマネジメントとかも興味ある、とかいうと刺される。曖昧なことは言うものではない
- 2年前と同様に、人事が微妙だと避けている気がする
- 入ったら楽しいんだろうな、みたいな会社は色々あるんだけど……
- むしろインターンしなければよかったな、みたいなのある。つらいね
- 「また〜になったらお声がけします」〜になってもお声がけされないがち
- 何で決めればいいのか
- 額面が横並びになると意外と迷うことが分かってきた
- (そもそもカルチャーとか合うと思ったところしか受けてないし)
- 気持ちが揺れてきた、オタクはちょろい @2019/いつ?
- 飽きた @2019/12/17
- なんでこのタイミングで飽きたのか忘れたけどとにかく飽きました
- もはや全てが惰性
- 飯を食っても気持ちが変わらないは嘘やろ @2020/1/14
- 決定的な差があるならともかくとして、悩んでいる状況において飯はかなり重要なファクターでは?って思いました
- 飯を食うことそのものは本質ではない、正解
- 素面でも掘り下げた話ができるといいね
- だいたい固まった @2020/1ごろ
- X択かな〜〜 (公開にあたり数をマスク)
- X択からX+1択になってX択になったりしている
- オプションで+1+1ぐらいある
- 全てにおいて納得の行く選択肢なんてないのじゃ
ファーストキャリアに掛ける気持ちが大きすぎてどこにいっても失敗しそう
- 終わらないね @2020/4/21
- 面接が6月中旬まで伸びるらしい。これいつ終わるんですか?
振り返り
やっぱり時の流れと共に考えはアップデートされ、明確になっていくので、学部のときと院のときのノートを見比べると面白いですね。記録を取っておくと楽しめることが分かります。ここに書いてあるスタンスと今の希望が少しずれているなと思うところもあり、面白いですね。
最終的に私が選んだ会社はどの程度の条件を満たしたでしょうか。
朝遅くて気持ち的にマッチしてて技術的にイケててお賃金が高くて技術/人/プロダクトへ投資ができて役に立つサービスを作っていてリモートができる感じでしょうか?
私が答えを知っている疑問もあれば、実はまだ答えをしらないものもあります。もし答えられる方がいましたら、ぜひ教えてください。
この記事を執筆した背景
1年前に、こんな記事を書きました。正確には書いたというかWIPのまま塩漬けにしたんですが。
言い訳をすると、あの時はまだ就活が終わっていなかったので色々ネタを書くと自分の就活に影響してしまう可能性があり書けない事情がありました。
実はあれから半年後、コミックマーケット98 (C98)で本を出す予定でした。Webカタログにも載ってます。 (このURLはもう少ししたらアクセスできなくなりそうですが)

春コミなんて珍しいしサークル参加してみるか、と思い立ったは良いですが、ご存知のようにコロナ禍の影響でC98は幻になりました。
とはいえ、前述のようにC98の開催時点でも就活は終わってなかったので結果的に助かりました。
この記事は、そんなこんなで塩漬けされた様々をとりあえず出しておくか、程度の軽薄な気持ちで生まれました。
というわけでwhywaitaさんもこの記事で許してくれると嬉しいなって思います。メリークリスマス!