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主に学生やアルバイト向けの確定申告一問一答

お役立ち情報

こんばんは。確定申告は終わりましたか?

とりあえずこの記事のヘッダにでも書いておきたい情報なんですが、「103万行ってないのに所得税取られたけど確定申告の期間過ぎたからいいやって思ってる人はまだ間に合うからやってないならやってみてくれ!!」です。

一介の学生であったはずなのですが、掛け持ちをしていること、そして業務委託契約の名ばかりインターンシップの報酬により年末調整を断られ、泣く泣く確定申告をすることになった kyontan です。

そんな確定申告初心者な自分向けの情報をまとめました。おそらく、似たような境遇の学生の方や、その他の103万円という数字に震える方が気になるであろう情報になっているかと思います。

(正しい情報になるよう努めてはいますが、自分自身、専門家ではないため誤った情報を含んでいる可能性があります。間違いがありましたら、ご指摘いただけますと幸いです。)

記事中の税率や税額のソースはできるかぎり示していますが、税制は毎年何らかが変わっています。この記事の内容は記事の更新日時点での情報とお考えください。
(ちなみに150万になるとか色々言われてますがあれは配偶者控除の話で扶養者は関係ないと思っています。)

また、個人事業主として開業届を出している場合については今回の記事ではスコープ外としています。業務委託契約の収入等と書いた場合、雑収入としての業務委託による報酬とお考えください。

以下、一問一答形式です。

2018-04-09追記: 2017/3/31 の国税庁サイトのリニューアルに伴いURLを修正しました。


何も考えたくない人向け質問

103万円ってなに?

38万円 (基礎控除) + 65万円 (給与等収入が 651000円以下の時の給与所得控除) = 103万円


結局いくらまでは親(などの扶養者)の扶養を外れないの?

(雑収入の経費を一切計上しない場合)
給与収入が103万円以下 かつ 雑収入 (業務委託等による) による収入が38万円以下


学生だし勤労学生控除があるから130万まで大丈夫?

勤労学生控除を適用しても総所得が38万円 (=給与収入のみなら103万円)を超えたら扶養控除からは外れます。
ただし、本人は所得税を払わなくて良い上限が27万円増えます。
(給与収入が130万円以下 かつ 雑収入 (業務委託等による) による収入が65万円以下)


130万円ってなに?

これを超えると社会保険を支払う必要があるらしいですが詳しくないです。この記事では扱いません。


確定申告はどうするのが簡単?

税理士にお金を払うのが簡単だと思います。という根も葉もない話をしないならば Web で作るのが楽です。
印刷して送付/物理提出もできるので、とりあえず手書きしたくないというだけでも使うと便利。税金の計算も自動でされます。

所得税(確定申告書等作成コーナー)|申告・納税手続|国税庁
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/kakutei.htm

いわゆるジャパニーズレガシーウェブサイト感が強いですがとりあえず動く。
マイナンバーカードと対応したリーダーと強い心とレガシーブラウザがあれば e-Tax (電子申告) も可能です。

また、途中経過をファイルに保存することができ、これを1年後取っておくと企業の住所などを入れ直さなくて済みます。便利ですね。

ちなみに、下はあまりにも早すぎたせいで平成29年度の確定申告向けのシステムで平成30年度のデータを入れた人間の様子です。
(システムは毎年1月に更新されます)


より詳しい質問や定義

給与とは?

給与として支払われた額です。そのままですね。
この記事の対象とする方むけに書くと、業務委託契約の報酬は給与ではありません
その他、原稿の執筆料などもここに分類されることが多いでしょう。


業務委託契約で得た報酬は何という?

個人事業主として開業届を出している場合は事業収入になり、そうでない場合は雑収入になります。


とにかく計算式で教えて

この内容は主にアルバイト (+雑収入のある人間) 向けにだいぶ削って書いています。

給与 := 給与として支払われた額 (年収とか月収と言われるもの)
給与収入 := 給与 – 非課税になる額 (交通費など)

雑収入 := 年金、また(開業していない場合の)業務委託契約等の収入 (仮想通貨もここだと思いますが、詳しくないので割愛します)
経費 := 個人事業主としての経費

所得 := (給与収入給与所得控除) + (雑収入経費)
課税対象額 := 所得基礎控除 (38万円)

いきなり変数がたくさんでてきて混乱しますね。
具体的な例として、給与収入のみの場合と、雑収入がある場合(業務委託契約による収入等がある場合) それぞれを提示します。

1. 給与収入のみの場合

給与所得控除の具体的な額を入れると計算できます。

具体的な額は以下のページを参照ください。ちなみに引っ掛かりポイントですが、給与等の収入金額が660万円未満の場合は別表です。

No.1410 給与所得控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

おそらく参照される額を抜き出しておきますが、収入が651,000円未満のときの給与所得控除額は0円 です。
また、収入が 651,000円 から 1,619,000円未満のときの給与所得控除額は 650,000円です。

基礎控除は、一律で38万円です。

No.1199 基礎控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm

給与 := 給与として支払われた額 (年収とか月収と言われるもの)
給与収入 := 給与 – 非課税になる額 (交通費など)

所得 := (給与収入給与所得控除 (65万円以下なら65万円) )

課税対象額 := 所得基礎控除 (38万円)

つまり、給与収入が103万のとき、課税対象額は 103万円 – 65万円 – 38万円 = 0 になります。

2. 雑収入がある場合

上の式をまるっと使うことになります。
具体的な額として、アルバイトの給与収入として82万円の収入があり (うち2万円は交通費)、業務委託契約で10万円の収入を得たとしましょう。
個人事業主としての経費はないものとします。

給与 := 給与として支払われた額 = 82万円
給与収入 := 給与 – 非課税になる額 (交通費など) = 82万円 – 2万円 = 80万円

雑収入 := 業務委託契約等の収入 = 10万円
経費 := 個人事業主としての経費 = 0

所得 := (給与収入給与所得控除) + (雑収入経費) = (82万円 – 65万円) + (10万円 – 0) = 27万円
課税対象額 := 所得基礎控除 (38万円) = 27万円 – 38万円 = 0 (所得は負にはなりません)

よって、課税対象額は0となります。


源泉調整ってなに?

そもそも、一般的には確定申告による修正が不要になるように、給与の額に応じて所得税は支払い前に引かれています。これが源泉徴収額です。

とりあえず以下のPDFに全てが書いてあります。見てください。

給与所得の源泉徴収税額表(平成30年分)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2017/data/01-07.pdf
年度が変わった場合は 「給与所得の源泉徴収税額表」などでググると良いでしょう。

アルバイトの場合は基本的に甲欄の 「扶養親族等の数: 0人」 の列が源泉徴収額になります。
年末調整をしたけど特に何もなかったという方もいるでしょう。これは毎月の支払いが88,000円未満では源泉徴収額が0円になることから来ています。

また、場合によっては月のバイト代が88,000円以下だけど源泉徴収されている人もいるかと思います。これは一番右の乙欄で源泉徴収がなされている場合です。
掛け持ちをしている場合も、最もバイト代が多い給与支払者以外では乙欄で引かれるはずです。(申告していない場合もあるかもしれませんが……)
このときは、額に関係なく一律で 3.063% が源泉徴収されます。

また、自分が扶養を外れた場合に扶養者(親など)がいくら損するのかは、親の収入で扶養者を現在から1引いたときの差額です。(その他にも影響するはずですが)


所得税ってなに?

総所得 (= 課税対象額) に対して掛かる税金です。確定申告ではこの税金の額を決定し、差分を納付/還付することが目的です。 (ざっくり)

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm


年末調整ってなに?

一般的な人は1社からしか給与を受け取っていないだろうという前提に基づいて、確定申告相当のことを企業でやってくれます。
(掛け持ちしていると断られるケースが多い。可能だったこともあります。)

年末調整がなされ、また年末調整の対象となった額以外の収入がない場合は確定申告は不要です。(控除額が増えた場合などを除く)

No.2662 年末調整のしかた|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2662.htm


確定申告あれこれ

確定申告ってなに?

年末調整を行っていない収入と所得を正しく計算して課税額を求めることです。
収入と所得から支払うべき課税額を求め、それまでに支払っていた課税額との差額に対して、足りていない場合は納付をし、また多かった場合には還付を申請します。


還付申告ってなに?

既に納めている税金より支払うべき税金の額が少ない確定申告を指します。つまり還付金が発生する確定申告です。
また、この還付申告をするときの確定申告書を還付申告書と言います。

No.2030 還付申告|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm


2月中旬から3月中旬しかできないの?

還付申告の場合は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。

No.2030 還付申告|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm

それ以外の場合も別にできないわけではなくてペナルティが付くだけという認識。


確定申告には何が必要なの?

給与を支払われた場合にはその支払者による源泉徴収票が必要です。

業務委託等の雑収入の場合は、源泉徴収票に準じた支払調書があるとベターらしいですが必須ではありません。
業務委託契約であっても、まっとうな企業であれば支払い者が源泉徴収した額を税務署へ申告しているはずであり、よしなに名寄せされます。
業務委託契約の支払通知書などは申告時には必要ありません。


郵送のときの「信書で送れ」の信書ってなに?

日本語がおかしいですが、信書便という方法で送ればよいです。
これは何かっていうと少し難しいのですが、1例として、日本郵便のポストからいわゆる郵便として送れば大丈夫です。


確定申告書のAとBってなに?

給与収入しかないならAって書いてありますね。
つまり、業務委託による収入があるなら B です。


雑所得の所得の種類は?

「雑」です。


アルバイトの職業は?

「アルバイト」です。


申告書の提出時に写しは必要?

おそらく必要そうです。
物理窓口での提出では、控えにも判子を押してくれます。
郵送のときも必要そうですが、返信用封筒を入れないと返信はされない(?)


還付金はいつごろ振り込まれるの?

税務署の忙しさによりけりです。
私の場合は 2018/1/26 に税務署で申告し、2018/2/10 に振込通知書が届きました。(銀行の翌営業日に振り込まれました)


業務委託契約の報酬等のあれこれ

業務委託契約なんだけど……

雑収入は給与所得控除の対象にはなりません。つまり基礎控除のみです。103万円ではなく38万円しか控除されません。
超えたら頑張って経費を計上すると納税額が減るかもしれません。

おそらくインターンとして(それはインターンじゃないが)業務委託契約させられる場合だとあまり計上できるものもないと思うので企業を恨みましょう。

インターンと言いながら業務委託契約をさせてくる企業一覧をそのうち作りたいので情報があったらぜひお寄せください。


業務委託の報酬、源泉徴収多くない?

それはおそらく源泉徴収の税額が 10.21% だからです。

No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2795.htm


業務委託の報酬に消費税が付いてるんだけどこれなに?

間接税なのであなたが収める必要があります。納税は義務です。
ただし、売上が1000万円以下のときは納付義務が免除されます。納付しなくていいってことはつまり……!!!

No.6501 納税義務の免除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm

本来であれば納付する必要がある額ということは、つまり収入ではありません。
報酬が内税の場合は 1.08 で割った額、外税の場合はその額がそのまま収入になります。 (消費税8%を前提に書いています)

ややこしいですね。実例を出しましょう。以前の自分の業務委託契約における支払通知書には以下のように書かれていました。

お支払い金額: 147,601円

業務委託費(外税): 130,000円
消費税: 10,400円
業務移動費: 22,802円
源泉所得税: -15,601円

お支払い金額は、 業務委託費 + 消費税 + 業務移動費 – 源泉所得税 です。
このうち収入となった額は、業務委託費 + 業務移動費です。つまり、 130,000円 + 22,802円 = 152,802円 です。

ちなみに契約書をもらってないとかそういうのは完全にブラックですが、外税だけど支払われていない、みたいな場合には請求できるはずです。揉めましょう。


無駄に長くなりましたが、色々調べていたら知見が溜まった気がします。しかし、多分そんなことは考えたくない方が大半だと思います……

そもそもなんで確定申告をするはめになってここまで調べたかと言えば、 10.21% の源泉徴収をしてきたあの業務委託契約の名ばかりインターンシップが……

おそらくこのあたりを抑えておけばアルバイトの場合は十分かと思います。良くわからない? 還付申告は忘れても返ってこないだけです!

ここに書いておいた方が良い内容や、誤っている内容等ありましたらご連絡ください。

あと、もしこの記事を読んで税金が還付されたよ! みたいな人がいたら、ほしいものリストからなんか送ってください。

それでは、皆さん良い納税生活をお送りください。

 

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