研究室に配属される前に知りたかった研究の流れ

雑記

こんにちは。名取さなさん10万FANS+おめでとうございます。大学まで片道2時間掛かる生活に嫌気が差したので、家に籠もってはたまに大学に行く生活をしています。睡眠が取れているのが何よりの救いです。

さて、大学は研究機関だと言われていますが、研究って具体的になにやるの? と思っていた3年間が終わり、4年目に突入して半年が経ちました。

半年も経つと秋になり、未来の後輩が研究室を決めるために見学や面談に来ているのを観測しています。

自分がその立場にいたとき、自分は研究をどういった流れで何をやるものなのか全く分かっていませんでした。
今もそんなに理解していない気はしますが、少なくとも今ぐらいの認識を研究室配属前に知りたかったな、というのは思っているので、転生したときのためのマニュアルとして少しまとめてみます。

そもそも研究のやり方とか認識とか、研究成果の扱いみたいなのは学問によってどうやら違うらしいのでとりあえず情報科学、とりわけコンピュータサイエンスの近くをやっている人間として書いています。
ちなみに成果は今のところほぼ無で、はじめての学会だね、と言われながら国際学会だし九州だしでよくわからない緊張に押しつぶされて寝込みつつもなんとか学生研究発表で入賞して、あと自腹で別府温泉に入りました。別府八湯温泉道初段程度の実力です。


まず、研究とは、ざっくりいうと

  1. 何が研究されているかを知って
    1. 試せるなら試して
  2. 新手法とか改善できそうなところを探して
  3. 既存の手法と比較して
  4. 文章やポスターにして発表する

という活動だと思っています。

サーベイ

何が研究されているかを知る、ということをサーベイ(Survey)と言います。

具体的には論文を読むわけですが、そもそも論文とはなんぞやみたいな話があります。
論文というのは研究の成果や途中経過の書かれたもので、基本的に前者は学会が開催する論文誌というものに掲載されていることが多いです。

論文の種類 / 構成

大きく分けて査読付き論文と査読なし論文というのがあって、査読付き論文の方が査読されているのでより正しいっぽい内容なはずです。ちなみに査読というのは近い分野の研究者とかが論文を公開する前に正当性を確認する手続きのことです。
Arxiv (アーカイブ) というサイトを聞いたことがある人もいそうですが、あれはプレプリントサーバというもので、プレプリントという正式に発表される前の論文が投稿されるサイトです。つまりクオリティの保証されない論文がたくさんあります。査読そのものは時間が掛かるので、動きが早い分野とかだと Arxiv とかに最新技術の論文が投稿されるみたいことが普通な分野もあるそうですね。玉石混交というだけで全部が全部信用出来ないわけではないですが、信用するかどうかも自分次第ということです。

論文の構成というのはほぼ決まりきっていて、以下のような章立てになることが多いです。

  1. 要旨 (Abstract)
  2. 導入/関連研究の紹介 (Introduction)
  3. 新手法の提案 (Proposed Method)
  4. 実験の説明 (Experimental Methodology)
  5. 実験結果 / 評価 (Experimental Results / Evaluation)
  6. まとめ (Conclusion)

全部しっかり理解しようとして読むとそこそこ時間が掛かるので、要旨→まとめ→評価→実験の説明みたいな読み方をしろとか、説明とかは実際必要になるまで読まなくていいとか言われることが多い気がします。とにかく数を読むことが大事かもしれない。

僕はやりたい分野がなんとなくネットワークとか〜インターネットとか〜みたいな気持ちだったのでそんな感じの用語で調べたり、その分野のトップの学会とかの最近の論文とかを読んだりしました。そこから興味を持ったより狭い分野の論文を読んで探したりします。Google Scholar とか IEEE Xplore とかで調べることが多いです。

サーベイをした後

で、これは僕も謎なのですが新手法とかを思いつく必要があるみたいです。本当ですか?
ちなみに僕はたまたま思いついた手法をやっていますが、これをコンスタントにできる気はしないので大変だなって思っています。
学部だと先生が持っていたアイデアを検証して卒業研究にする、というケースが多い気がします。

ちなみに、僕の場合は既存の手法を別の使い道へ適用しました、という提案になるので、既存の手法との適用先の違いや、みたいなのをちゃんとやります。延々とプログラム書いて走らせてベンチマークしてgnuplot (やめたい)でグラフ書いて眺めたりします。ちょっとでも数字大きければが勝ちです。勝ちとは……

論文を書く

そして、既存手法より良い結果が出たら論文を書きます。
論文というのは読む人が読みやすいように書くので、実際に実験をした時系列にそって何かを書くというよりは、論理的な筋が通るように構成をします。というのは何かというと、既存の流れを一切無視してアイデアを突然ひらめいたとしても、別に論文にはそう書かなくて「既存の〜には〜という問題があった。〜するとどうなるかは分かっていなかった。本論文では第一歩目として〜した。」みたいな書き方をしたりします。意味不明ですね。

論文を書くのは場合にもよるのですが1週間〜1ヶ月ぐらい掛かるみたいです。コンピュータサイエンスの分野だとダブルカラム(2段組)で6P〜10Pぐらいの論文が多い気がします。英語でこの分量書くと結構しんどいのではと思っていましたが、最近日本語で書いても十分つらかった。
僕が最初に書いたダブルカラム/2Pの英語アブストラクトは金土日の3日でした。地獄かと思いました。教訓ですが図を書くのはそこそこ時間がかかります。

今のところ査読付き論文を書いたことはないのでこの先何が起こるのかはよくわからないのですが、査読されたあとに査読者に突っ込まれた部分を反論(Rebuttal)したり直したり足したりすることもあるみたいです。

研究発表の種類

研究の発表の仕方には大きく分けて、論文誌、学会発表、研究会発表などがあります。前者の方がより難しい(==業績として強い)っぽいです。
あとは日本語の論文とか国内の学会・研究会の発表よりは国際学会とかのそれの方が難しいっぽいです。母集団が大きいのでそれはそうって感じがしますね。
あとは学会そのものにもランクみたいなものがあって、明文化は別にされてないですが分野的にこれが一番すごい、みたいなのがあります。トップカンファレンスとかいうやつです。

雰囲気的には学部の学生が国際学会いったり査読付き論文通したりするとめっちゃすごくて国内の学会でも出るとそこそこ。修士だと国際学会とか一度ぐらいは行くかもしれない、何度も行くとすごいですね、みたいな感じっぽいです。

あとは卒業論文とか修士論文とかありますが、あれは研究の業績としてはあまりカウントされなくて、それまでにやったことのまとめ論文みたいなやつっぽいです。別に査読とかがあるわけでもないので、信頼性とかも微妙だよね、みたいな文脈です。論文自体も論文誌とかに載せるものより長かったりします。博士論文については査読と言うのか分かりませんがちゃんと学内の教授陣や、場合によっては他大学の先生によっても審査があるようです。

以上が今のところの僕の研究に対する認識です。とりあえず学部の学生が何をしてどういうのをやるといいのか、どうするの、みたいなのが分かってもらえると良いのかな、と思います。


ところで研究室を選ぶ上でのポイントみたいなことはここまででは書きませんでした。

なぜならそれは人によって見るところが違うからで、個人によって評価するポイントが違うからです。

僕は指導教員とのマッチングだと思っていて、研究分野ももちろんですが強いこだわりがないなら指導教員とやっていけそうなところを選ぶのが良いです。相性が悪くて消える人を何人も見てきました。
一番困るのは研究室へ来なくなることであって、そうなるとお手上げという話ですね。行きづらい場所を行きたい/行ける場所にするのは大変なので。

心理的安全性という言葉が好きなのでやっていますが、まあ成果を出せば研究室に行かなくてもいい研究室を選んで良かったなと思っています。朝が弱い人間にとってコアタイムは天敵ですからね。

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