「運転免許証」「資格」というキーワードを見ると、即座に「フルビット」という単語が思い浮かんでしまうのが資格好きの困ったところです。
フルビットというのは、簡単に言えば運転免許証の種類欄を全て埋める(取得する)ことで、言葉の由来は、昔の免許証が取得/未取得を0/1で表記したことからくるんだとか。
そんなフルビット免許をいつか目指すべく、とりあえずその伏線ぐらいは張ってやろうと挑んでみた結果が以下の有様です。
前説
兎にも角にも資格を全て取れば良いのであるわけですが、運転免許証には制約があり、既に取得した免許より下位の免許を取得することはできません。
その中で、普通自動車免許より下位の免許である、「小型特殊自動車」「原動機付自転車」の2つは持っている人が比較的少なく、特に「小型特殊自動車」なんて、自動車学校以外で聞いたことがある人はほんの僅かしかおられないのではないかと……
詳しい説明は他所に詳しく書いてあるのですが、ざっくり申しますと、トラクターをはじめとする農業用の特殊車両を公道で運転するために必要な免許です。
また、ふらりと築地に行った時に気が付いたのですが、場内を走り回るターレットトラックも小型特殊自動車に含まれるようですね。特殊自動車の許可証が貼ってありました。欲しい乗りたい……
そんな小型特殊自動車運転免許、資料 (PDF: 運転免許統計(平成25年版) – 警察庁) によれば平成25年末時点で47,7296人しかいないとのこと。
かのエンベデッドシステムスペシャリストよりは多いようです………
本題
自分の住んでいる都道府県の運転免許試験場に行きましょう。写真とお金と住民票の写し(本籍が記載されたもの)があれば、おそらく全国どこでも大丈夫なはず。
お代は意外と安くて、受験料が1500円。合格した場合はそれに加え交付手数料が2050円掛かります。計3550円。
僕は神奈川県在住なので、今回は二俣川運転免許試験場に行きました。相模鉄道(相鉄)、初めて乗りましたが横浜から急行で一駅なんですね。
二俣川運転免許試験場、ホームページなんかを見るとバスによっていく方法が推奨されています。しかし、僕が行った時は年末で、しかも朝だったということもあるのか、道も渋滞しており、後日歩いて行った時とほとんど変わりませんでした。歩いて行く人も多く見かけますし、近道もあるようです。(手作りっぽい看板で近道と書いてある。)
年末に行くと、繁忙期だそうで「原付の方はGの窓口へ…」という案内がありました。小型特殊もきっと同じだろうと思いつつ行ってみたところ、どうやら正しかったようです。
二俣川の場合、年末などの繁忙期は門からまっすぐ進んだつきあたりの建物にある、Gの窓口ですが、平常時は左側のメインの建物入ってすぐの受付で運転免許申請書をもらえます(原付と同じ扱い)
僕「小型特殊を受けたいんですが……」運転免許試験場の方「え、小特(ことく)?!小特?!」
僕も小型特殊の受験談をいくつか読んだことはありますが、まさか最初からこんな扱いをされるとは思わなかったので、早速胸が踊る踊る。
扱いとしては原付に近いようで、運転免許申請書の「受けようとする免許の種類」の小特の欄に丸をつけるだけ。
適性検査でもお姉さんに「小特受けるの?」と聞かれる。「はい」と答えると、これでもかという感じ(下図)に小特と書かれまくり。おまけに付箋まで付けてくれました。
適性検査が終わると、続いて筆記試験です。もちろん小型特殊の受験者は1人しかいないのですが、流石に1人の為に部屋を分けるのも馬鹿馬鹿しいのか、原付と同じ部屋で受験をすることになります。だがしかし、扱いは同じく少数派である日本語以外を用いた試験をする外国人と同じようで、僕の列には日本人は僕しかいないというまたも不思議な状況になった。
ここでも、「本日小型特殊自動車の運転免許試験を受験される方は居ますかー?」などと、200人近くいる試験室で羞恥プレイが。
さて試験。小型特殊自動車は筆記試験だけですが、原付や普通自動車の筆記試験は本が出ているのを見たことがあるが小型特殊に関しては見たことがないどころか出版されているのかも分からない……。というわけで、出題範囲も良くわかりません。
ただ、後日受けた原付と比べると、自動車専用道路に関する記述があったり、わだちに関する問題が出たりと、微妙に原付よりは出題範囲が広く難しい気が……? ただ、原付の試験範囲を抑えておけば合格点(45/50)は取れるのではないかと思われます。
だがしかし、なぜ60km/hで走っている状況のイラスト問題が出たのかは永遠の謎。(小型特殊自動車は最高速度が15km/h)
合格発表です。小型特殊自動車の合格発表は原付と同時に行われます。
無事、自分の受験番号が見つかり、ホッとしている間に、「原付の合格者はこちらです」などと案内が行われていました、が、小型特殊自動車の試験合格者が呼ばれる気配は一向になく、その場(合格発表の電光掲示板前)で放置プレイを喰らいます。
まあ立ち尽くしていてもどうしようもないので受付の人に聞いてみるわけです。ここが小特らしいところで、受付の人が「小特の人ってどうするんでしたっけ……?」などと内線でどこかに尋ねはじめるわけです。どれだけ普段受験者が少ないんだ……
余談ですが、初回の受験では落ちました。敗因は試験範囲が第一段階だけだと思い込んでいたことです……。本当につらかった……
どうやら、小特の試験合格者は原付とは違い交付手続きを受ければ良いらしい。
ただ、交付手続きの窓口は午後1時(うろ覚え)ぐらいまで開かないため、2時間以上待たされるなどする。
原付では、原付講習なるものを受けて、2時間の間、原付が如何に事故りやすい乗り物であるかということについて洗脳される必要がある。
その後交付手続き。待遇についてはお察しの通り。外国人免許と同じ扱いでした。
書類貰って発行手数料分の収入印紙を貼って、顔写真を取って再度交付窓口で待たされたら発行されたのがこちら。
個人情報だらけなのでボケボケですが、輝かしい「小特」の2文字のために僕(ら)は頑張ってきたんだという気持ちになれます。有効期限の背景が黄緑色なのも若葉っぽさがあって良いですね。
初回の交付は黄緑色で、2回目以降は青色、条件によりゴールドになる。
こうして、小型特殊自動車運転免許を取得することに成功したのでした。
後日談
その後、原付と普通自動車の免許も受験しまして、次に乗るのはいつになるのだろうかという気分になりながら原付講習で原付に乗り、「あなたもライダー」という小冊子を貰いました。
下が現在(2015/8/4)の僕の免許証です。
雑感としては、普通自動車免許取り立てで若葉マークを付けているのにも関わらず、免許証が青色というのはやはりミスマッチ感があって良いという感じです。
また、最近ですが運転免許の勧誘を受けたので、「けん引が取りたい」と言ったところ「生意気な」と言われたことを挙げておきます。取りたかったのに……
そこまで悪意を感じる言い方ではなかったことを付記しておきます。
というわけで次は 大型特殊 か けん引 が取りたい。特に Euro Truck Simulator 2 (link: Steam) にドハマリした身としては、けん引免許がとてもが取りたい。